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画像伝送(放送機器)

先ず、SDI伝送に限った説明をします。
SDIの入出力を持った基板は以前であれば、Equalizer→Deserializer(シリパラ)→FPGA→Serializer(パラシリ)→Driverという構成が主流でした。
昨今はFPGAの高速化・高集積度化により、高速トランシーバ内臓品を採用するのが常識となり、SerDes(シリパラ/パラシリ)を使うことが無くなりました。
高速トランシーバは、12G-SDIまで対応可能です。
SDIを圧縮してキャプチャする場合は、専用のエンコーダが必要です。
圧縮に関しては別のページで説明します。
PCのスロットに搭載するPCI-express対応基板を開発する場合、PCI-SIGの規格を満たさなければなりません。
市販の拡張基板の場合はハーフサイズが多いですが、あまり部品が乗りません。
多くの部品が乗る仕様の場合は、奥行きのあるフルサイズの採用を検討する必要があります。
また、SDIの入出力を持った基板であればブラケットにBNCコネクタを配置しますが、5個までが限度です。
それ以上のチャンネル数が必要な場合は、HD-BNCという小型の同軸コネクタを採用するか、基板を2枚重ねて実装する等の策を講じなければなりません。
その際、2スロットを占有するばかりか高速信号が2基板間を渡ることになるので、頭を使います。
SDIを経てFPGAにキャプチャされた映像信号は、PCI-expressを介してPCに取込まれて加工された後、再びSDIで出力されるというのが通常の流れです。

HD-SDI対応PCI-expressインタフェース画像入出力ボード
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オーソドックスなHD-SDI画像入出力ボード
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次に、IP伝送についても説明しておきます。
放送業界ではSDIが標準的な伝送方法でした。
SDIは送り側と受け側を同軸ケーブル1本で繋ぐだけで済むので単純ですが、ケーブル1本につき1チャネルしか送れないので、チャネル数と機材が増えるごとにケーブルが増えて複雑化するデメリットもあります。
一方IP伝送では、LANやインターネット回線で複数の映像を双方向に送ることが可能です。
SDIでは機器間の同期を取るために外部同期信号を接続する必要がありますが、IP伝送ではPTPという同期プロトコルを組込めば外部同期信号が不要です。
但し、SDIと異なりケーブルを接続すれば送れるとは行かず、IPネットワークの構築と設定が必要ですが、機器構成と接続はかなり単純になります。
また、LANケーブルは安価で柔軟で作業性が良いのが魅力です。
帯域に関してですが、SDIは4K,8Kとなると同軸ケーブルはどんどん増えますが、IP伝送なら4K,8KでもLANケーブル1本で送れます。
コスト面でSDIの機器は高価ですが、IP伝送の場合はPC等の汎用機材が活用出来るので、設備構築のコストは低く抑えらます。
以上の観点からIP伝送はメリットが多く、これからはIP化されて行くと思われます。
放送業界での規格は、SMPTE ST2110が標準となりつつあります。
ST2110は、ST2110-10から-40の6規格で構成されています。
ネオリンクでもIP伝送に対応するべく準備を進めています。

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IP伝送のイメージ